
ロボットアドバイザーとは、資産運用のアドバイスや補助をしてくれるサービスの総称ですが、最近20~30代の若い層にロボットアドバイザー(ロボアド)による積立投資が流行っているようです。ロボアドの広告を目にする機会も多くなってきました。
現在、ロボアドの代表格といえばWealth Navi、THEO、FOLIOの3社です。それぞれどの様な特徴があるのか、また資産ポートフォリオの構成はどうなっているのか、利用上での注意点などを調べてみました。
ロボアド3社の比較
WealthNavi | THEO | FOLIO | |
サービス開始 | 2016年7月 | 2016年2月 | 2018年11月 |
預かり資産 | 1500億円 | 360億円 | 未公表 |
資産運用方法 | 世界分散積立投資 | 世界分散積立投資 | 世界分散積立投資 テーマ投資 |
運用手数料 | 1.0% | 1.0% | 1.0% |
その他費用 | ETFの信託報酬 | ETFの信託報酬 | ETFの信託報酬 |
最低投資額 | 10万円 | 1万円 | 10万円 |
自動積立 | 1万円~ | 1万円~ | なし |
リバランス | 半年ごと | 月1回 | 3か月に1回 |
どのロボアドも世界分散積立投資、手数料1.0%、最低投資額10万円以下で横並びです。
預かり資産という点では「Wealth Navi」が大きく先行しています。
一方、後発の「FOLIO」は世界分散積立投資以外に、テーマ投資というサービスで差異化を図っています。これは、バイオ・5G・自動運転など、各テーマに関連した銘柄を10銘柄、投資額は10万円程度となるように、銘柄を自動選定してくれる機能です。興味がそそられます。
ロボアドのポートフォリオ構成
世界分散投資をうたう各社のポートフォリオを調べてみました。
どのロボアドも診断ページに進んで、自分の年齢・年収・現在の金融資産などを入力すると、リスク許容度に応じて、自分に合った推奨ポートフォリオを提案してくれます。
リスク許容度が最も高い場合、どのようなポートフォリオを推奨してくれるのか、実際に調べてみました。
WealthNavi | THEO | FOLIO | |
株式 | 81.5% 米国株35.0% 日本株33.5% 新興国株13.0% | 40.0% 先進国株35.0% 新興国株5.0% | 75.0% |
債券 | 5.0% 米国債券5.0% | 50.0% 先進国債券16.0% 投資適格債券24.0% ハイイールド債券7.0% 新興国債券3.0% | 15.0% |
金コモディティ | 8.5% | 6.0% | 5.0% |
リート不動産 | 5.0% | 4.0% | 5.0% |
運用シミュレーション | 初期500万円 積立なし 30年後70%の確率で 1425万円 | 初期500万円 積立なし 10年後(確率不明)で 907万円 | 初期500万円 積立なし 30年後70%の確率で 1790万円 |
「WealthNavi」と「FOLIO」は似たポートフォリオ構成で、株式の比率が75%以上と高くなっています。一方、「THEO」は株式40%・債券50%で、バランスが取れた構成を提案しています。
実際に口座開設してみると、ログインID・パスワード設定、口座開設書類確認、マイナンバーカード提出、銀行口座登録で、簡単に口座開設の申し込みが完了します。10分あれば開設できます。
ロボアドの注意点
どのロボアドもおおよそ以下をPRポイントに顧客を獲得しています。
①あなたに合った運用プランのご提案
②少額で世界に分散投資
③運用アルゴリズムはノーベル賞受賞理論
④シンプルな手数料 年率1%
これを見て、皆さんはどう感じるでしょうか。私はちょっと違和感を覚えました。
簡単に口座開設ができ、Webページのデザインも綺麗で分かりやすく、自分に合ったポートフォリオを提案してくれるのは良いのですが、手数料1%は高いと思います。また、NISA口座が使えないのもデメリットです。
自分に合ったポートフォリオは、だいたい年齢やリスク許容度から自然に決まって来るものです。難しい話ではありません。ロボットなんて必要ありません。
私は「ネット証券口座を開設して、自分に合ったポートフォリオの投資信託(バランスファンド)を選択し、つみたてNISAで積立投資する方がよいのでは」と思ってしまいます。それなら手数料ゼロですし、NISA口座も使えます。
年率1%差のシミュレーション
金融庁のNISA特設ウェブサイトに、「資産運用シミュレーション」のコーナーがあります。
(参考)金融庁 資産運用シミュレーション
ここで手数料1%がある場合とない場合で、どれだけ資産運用に差がでるのかをシミュレーションしました。以下は毎月5万円を想定利回り4%で30年間積立投資した場合の計算結果です。
手数料1%なし | 手数料1%あり | |
毎月積立額 | 5万円 | 5万円 |
想定利回り | 4% | 3% (4%-手数料1%) |
積立期間 | 30年 | 30年 |
投資元本a | 18,000,000円 | 18,000,000円 |
最終資産額b | 34,702,470円 | 29,136,844円 |
差異 | -5,565,626円 | |
資産増加率b/a | 1.92倍 | 1.62倍 |
比較表をみてお分かりの通り、利回りが1%低下するだけで、-5,565,626円もの差異が生じてしまいます。 手数料なしに比べ、最終資産が16%も目減りしてしまいます。
私がオススメの積立投資方法
以上をまとめますと、私がオススメする長期積立投資は以下の通りです。
やっぱりネット証券で「つみたてNISA口座」を開設し、低コスト投資信託かETFで積立投資ですね!
eMAXISシリーズのバランスファンド
これ1本で世界分散投資が可能です。
株・債権比率が異なる5種類のファンドから、リスク許容度に応じて選択できます。
ロボアド手数料はゼロ
信託報酬は0.54%

eMAXIS Slimシリーズ S&P500
あれこれ考えずバフェットも推奨の米国S&P500で積立投資するだけ。
ロボアド手数料はゼロ
信託報酬はたったの0.162%
SPDR S&P500 ETF(1557)
S&P500を最安で運用するならこれ。
ロボアド手数料はゼロ
信託報酬はなんと0.0945%
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上記はすべて私の個人的見解です。投資は自己責任でお願いします。🐾🐾
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